やまじゅん通信 “きょうのヤマ場”

日本共産党神戸市会議員 山本じゅんじの活動、雑感など書きつづっています

企業主導型保育、会計検査院が改善要求

 今日の地元紙は、企業主導型保育について記事を掲載。児童育成協会が立入検査を行った800施設について、76%にあたる606施設について、何らかの不備があったと伝えています。また、児童育成協会のずさんな審査もあったとのこと。
 昨日、企業主導型保育施設建設の説明会での顛末の一部を書きましたが、やはり記事を読むと、この仕組み自体に根本的な問題があるのではないかと感じざるををえません。
記事では、保育計画の作成が不適切だとか、健康診断がされていないとか。不正受給も。
 待機児童解消を急ぐあまり、安易に規制緩和を持ち込むこと自体、大きな問題です。そもそも認可保育園とは比較にならないほどのゆるいルールになっており、これを活用することに疑問や反対の声があがるのは当然のことです。今後も注視していかなければならない問題です。

企業主導型保育、これでいいのか!

 企業主導型保育園の建設説明会があり、参加してきました。いきなり紛糾していました。
住民は保育園ができることに反対しているわけではありません。当該事業者による建設について、これまでの対応について不信感を募らせているのです。
これまでに何度か説明会は行われていたようですが、住民と事業者との間の決め事がきちんと履行されないばかりか、勝手に覆され、住民側の怒りは頂点に達していました。
それどころか、何の合意も信頼関係の構築のないまま、工事は予定通り始める、と事業者が発言したことで、会場はおおもめに揉めることに。
住民の工事における苦情や問いかけに対してまともに答えず、事業者は非常に不誠実な態度に終始。
ここまで地域との信頼関係が築けていない状況では、本来ならもう建設は断念するしかない状況のはずです。
しかし、それでも建設は強行しようとしているところに、問題の根深さがあります。
 参加していた元保育士さんは、保育の現場からの問題点を次々指摘。「子どもは地域に支えられて育つ。こんな状況ではまともな保育ではない」と厳しい批判も。
責任者の方も保育士とは言うものの、保育所での経験はほとんどなく、保育所運営の経験すらないという状態。
職員の配置についても、有資格者や無資格者、看護師などのスタッフがどういった配置で、どれくらいになるのかなどまだ未定とのことでした。
初めて保育事業に乗り出すようで、運営能力への疑問の声もあがっていました。
まともな話し合いにはとてもなるはずもなく、およそ3時間に及んだ説明会は最後まで紛糾しました。
 企業主導型保育事業は、全国で定員割れや撤退が相次ぎ、保育士の大量退職なども報道されています。
住民の方々もきちんと企業主導型について調べたうえで、厳しく反論されていました。国のお墨付きをもらっているなどとの言い分は、ごまかしてやり過ごそうしているようにしか感じられませんでした。
地域住民への誠実な対応は、できて当たり前のこと。それができないなら、事業を進める資格はありません。
一部始終を見て、あまりにもひどすぎると感じました。
自治会も反対するのも当然です。

こどもの貧困、実態調査と対策を

 21日付しんぶん赤旗に、各地でこどもの貧困実態調査が行われていることについて報道。大東文化大教授に聞くとする特集記事が掲載されていました。
子どもの7人に1人が経済的に困難な状況に。子どもの貧困を捉える視点と、子育て世代の声を政治に生かす問題を考えるとして他都市での子どもの貧困実態調査の取り組みから、家庭の収入の違いによる生活の実態の大きな格差が生じている実態についても少し触れていました。
 以前市議会で、こどもの貧困実態調査をするよう求めたことがあります。特別委員会だったこともあり時間があまりなかったので、深く突っ込んでは聞けなかったのですが、神戸市ではやらないという答えだけは記憶しています。
昨年度神戸市は、こどもの貧困実態調査ではないものの、ひとり親家庭についての実態調査を行っています。
速報が公表されていますが、それによると母子家庭の年間収入は、世帯全体で200万円以下が実に48%。母親の収入で言うと200万円以下は46%でした。
これまでにも多くの母子家庭の方にご相談をいただきましたが、本当に深刻でした。
生活保護以下の収入で頑張っておられる方や、励ましながら生活保護にようやく受給できた方、苦労しながら就職先を見つけなんとか保護を抜け出した人など、さまざまな方の苦労を見てきました。必死に生活してこられたお話をお聞きするたびに、頭が下がる思いでお聞きしていました。
やはり子供の貧困の実態調査はきちんと実施すべきです。基本的人権を保障するためにも、はく奪指標などできちんと見える化し、具体的な対策をすすめていくことが求められます。
そもそも生まれ育った環境でスタートラインに大きな格差が生じるというのは公平な社会とは言えません。
新自由主義的政策は、あたかも改革を進めるイメージがあるかもしれません。しかし、確実に格差を広げ、一握りの選ばれた人たちによる社会的支配を強化するだけでしかないと感じます。